普通の社会人ならアパートやマンションなどの賃貸を借りることは容易だ。
しかし、無職や非正規だと、普通に家を借りることすら難しいという厳しい現実がある。
そんなときにしばしば利用されるのが、賃貸入居審査用のアリバイ会社という存在。
今回はグレーゾーンな存在であるアリバイ会社と、それを利用して無職が賃貸の入居審査をクリアする方法を、私の過去の実体験を交えながら解説する。
賃貸の入居審査が通りにくい人や職業
部屋を借りようとする際、賃貸の入居審査が「通りやすい人」と「通りにくい人」が存在する。
基本的に会社や年収を問わず、普通のサラリーマンやOLは審査が通りやすい。社会的信用があるからだ。
高級マンションなどで例外はあるが、普通の不動産屋が扱っている普通のアパートやマンションの審査に落ちることはそうそうない。
しかし、以下のような人間・職業は、たとえいくらお金があったとしても、普通のサラリーマンと比べて社会的信用が圧倒的に低く、普通にやっては審査が通りにくいのだ。
- 無職ニート
- フリーター
- 自営業
- 起業して日が浅い経営者
- 水商売
- アングラ系
しかし実際問題、無職やフリーターあたりは実家住みが多いとしても、水商売やアングラ系で働く人たちは立派なマンションで一人暮らしをしている人が多い。
ではどうやって審査を通しているのか?何か裏技でもあるのか?
そう、裏技があるのだ。その一つが賃貸の入居審査に利用されるアリバイ会社である。
賃貸審査用のアリバイ会社とは
賃貸審査におけるアリバイ会社とは、その名の通り、自分が一般の会社員であると偽装するためのアリバイ工作を手伝ってくれる会社だ。
実在する会社が紹介され、そこの社員であるという口裏合わせの契約をする。そうすることで審査会社や管理会社を欺き、審査を通すというサービス(?)である。
もちろん会社名や電話番号なども借りれるので、審査会社や賃貸の管理会社に提出する書類にはそのアリバイ会社の情報を書くのだ。
何を隠そう私自身まともな会社員だったことがほとんどないため、その昔アリバイ会社を利用して賃貸を契約したことがある。
アリバイ会社を利用する方法と流れ
過去に実際アリバイ会社を利用して賃貸の契約をしたことのある私が、アリバイ会社の利用方法とその手順・流れを解説しよう。
アリバイ会社OKの不動産屋を探す
まず、アリバイ会社の利用を普通に行っている不動産屋を見つけるところから始まる。
おそらくだが、誰もが知っているレベルの大手の不動産会社だと、コンプライアンスの問題からアリバイ会社OKとはいかないだろう。
また、夜の歓楽街が栄えている街の不動産屋の方が、アリバイ会社利用OKである確率が高い。その理由は、キャバ嬢やホストなどの水商売をやっている客が多く、アリバイ会社の利用が日常的に行われているから。
私の場合は、アリバイ会社など存在すら知らない状態でたまたま訪れた街の不動産屋にアリバイ会社を推奨され、利用してしまった形だ。
アリバイ会社の利用がOKどころか、かなり早い段階で不動産屋の方から当たり前のように勧められたので、驚いた記憶がある。
「大丈夫大丈夫、この街ではアリバイ会社使うのが普通だから。ほら、この辺は水商売の人とか多いでしょ?」
そこの店長にはこう言われ、「いやそれ詐欺だろ…w」と思ったのと同時に、妙に納得してしまった。
たしかにいくら金があってもキャバ嬢やホストや風俗嬢やチンピラがどのようにして高級マンションに住んでいるのかは謎だった。
契約料を支払い、アリバイ工作をする
もちろんアリバイ会社とのやり取りは不動産屋がやってくれる。
こちらは不動産屋を通して別途アリバイ会社との契約料を支払う。
私の場合はたしか1.5万円ほどだっただろうか。これが高いのか安いのかはわからん。
その後、アリバイ会社の情報(会社名、住所、従業員数、役職や年収の設定など)と「審査会社から電話がきたときの対応方法」を教えられる。
審査会社からの電話は簡易的で事務的なものなので、深く突っ込まれることは稀らしいが、一応いろいろと「こう聞かれたらこう答えろ」みたいなことを伝授される。
在籍証明や給与明細の発行をしてくれたりもするようだが、私の場合は特にそういったものは必要なく、審査会社から在籍確認の電話が来て教わった通りの返答をし、それ以上のことは何もなかった。
なんかすごい悪いことをしている気分になるが、そのときは審査に通らない方が困るので素直に従った。まあ悪いことなのだが。
こうしてアングラ人間の端くれ(?)であるこの私も、無事賃貸に住むことができた。なお、現在はその部屋にはもう住んでいない。
アリバイ会社を利用するリスク
不動産屋からは全く説明されなかったが、当然アリバイ会社の利用にはリスクがある。
アリバイ会社を利用した虚偽の申告は重大な背信行為であり「詐欺」にあたるため、もしバレた場合、詐欺罪に問われる可能性がある。
利用した当時は不動産屋が「みんなやってるしここ(そのエリア)では当たり前ですよ~」と言ってきてポンポンと話を進められてしまったので、あまり気にしないで契約してしまったが、今思えばありゃ普通に詐欺だ。
夜の歓楽街として栄えているそのエリアでは、アリバイ会社の利用が当たり前になっていたというのは事実だろう。
不安定な底辺界やアングラ業界では、すぐに新しく家を借りないと生活ができなくなってしまうという状況が多々ある。
そんなとき入居審査がなかなか通らないと生活ができないので、アリバイ会社の利用は仕方ないということもあるだろう。
しかし万が一詐欺に問われてしまっては最悪なので、審査が通らないかもしれないからといって気軽に利用するのはやめておいた方がいい。
なるべく他の方法で家を確保するのがベター。そして頑張って普通に審査が通るような人間を目指そう。お互い。
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